指揮の移ろい、死期の計らい
鬱積したアスファルトの下で
その身を屈めて縮こまる
卑屈で愛しい春の芽吹きは
折り重なる理不尽と
度重なった虚しさに平伏されて
目的すらも見失ったまま
愛想笑いと
土気色の根を這わせながら
幾度目かの立夏へと運ばれてゆく

臆病なマネキンが
夢の欠片を羽織っている

疫病のマネゴトと
雨の刻んだ変拍子
移ろう四季と
移ろう指揮

戯れに奏でる
哀の慟哭
差異の相克

一欠片の言葉であれど
行き着く先は
扉の外であってほしい

消えたくないだけ
皮肉と苦肉のアイロニー
どこかで歪んだ
意味と情景
君と私の境界線
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2012.05.06


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