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痛みは常に正直で
至らぬ大義に厭悪を抱く
さようならなんて
おまえにゃいらんさ
ふりおろすのはかがみのまえで
なにもきこえちゃいないのだから

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踏みつけた虫に諭されて
旗の後ろへ首を遣る

大輪は既に腸垂らし
己が言葉も判っちゃいない
巻き取って掻き切って
愛を叫んで灰積み上げる

燃やした紙は地に返り
絶やした笑みの血に溺れ逝く

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受け止めるだけで
非は嵩む
許すことなく
吊るす身支度

流れはもっと正直で
軽やかに橋を見据えて
殻を突き抜く

眼はどんよりと
明日へ落ち
芽は朗らかに
陽へ伸び上がる

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背中を向けた方がいい
瞼を失した
微笑み擬きに
魅入られぬよう

眩しく熱い
日差しが恋しい
貧しく細る 心音のぶれ
安穏の擦れ

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仄暗い
廊下を駆ける
訳でもなく

ただ黙々と
急いた気持ちを
あやすだけ

行き詰った階段は
生き別れの
己が勤めを汲み取って
枝を撓らす
脈を打つため

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もうどれくらい経つのだろう
寝食を刻み朽ち果てた
へどろに埋もれたアパートメント

散らかった床に帰ろうか

忙しなく住まう
押し込められた脳裏の底に

不承不承な交友は
ただただ頷き流すばかりさ

手塩にかけた皿に背を向け
ましらの如き沙汰に酔い痴る

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井戸の深さを知らしめよ
異土の不可思議
腰へ携え

浮かんでくるのは風船と
法線上の赤い糸

対に生る帰途
終に鳴る音
息も絶え絶え
四季も栄え栄え

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ビニールハウスの蜂の巣に
群がる背中といつまでも

毟り取られた訳じゃない
爛れた肌と痩せた鼓動

陽は何処までも高く在り
乾いた喉へと突き刺さる

置いて行かれた事さえも
誰も気づいちゃ居やしない

噎せ返る幕に包まる眺望

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