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丸みを帯びた畳に滲む
帰らぬ肖像
重なる昇降
焼香と共に煮え滾る
己が心を偽る日々は
開け放たれた扉の奥で
今慎ましやかに
花を咲かせる

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装填された弾の数だけ
東天の熱が壁を焦がす
銃身は既に骨となり
重心を離れ塵と帰す

床の下には何もなかった
昇りくる実を貪るまでは

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覗いた日差しに顔を抱えて
除いた兆しに加護を讃える
雨宿り 後に逃亡
ビル群の脇を抜け
正面突破の雁と落ち合う

遠ざかるのは
近代的に競り合う錬鉄
コンクリートに込み合う喧噪

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異邦の尾根が見降ろしている
白んだ身体を横たわらせて

あんなにも
広く見渡せるのに
忍ばせた刃には気付けない
並び立つビルが嘲けり
剥き出しの骨に後光が差し込む

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一室に巡る四季と死期
偽証する日々に
追われながら
顔を出す
馴染みの群れと
つららを列ねる

階下に集まる人々は
誰一人として喋りはしない
頭数だけ
首から下の絆に縛られ

へし折れた
蝉の羽音も何処吹く風さ
耳を澄ませる迄もなく

お前の指揮が遠因だ
埋まった士気を
掘り返す
猿の右手が
積もっているのは

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頭上に瞬く光の粒が
行き詰まった身を映し出す

一面の黒に阻まれて
僅かな形に寄り合う点よ
足場を疑うことなかれ

また一瞥し
剥がれて昇る
防護柵に囲まれながら

反転する天が肉を食む
動転する地に繋がり断たれて

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使い古した気でいたら
芽生えたばかりの
声も擦れて
溶接された扉の奥で
調節された
骨組みを
ただ見送るだけだ

届けたかった言葉すら
取り返したい時間と共に
たった一つの出口へと
肉付けされて
排出される日の境

越えてゆくのは私であって
誰とも知れない人だった

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隣人は常に付き纏う
笑顔の時も
苦悶の時も

いっそ消えて
終えばいいのに

せめてこの場に
届かぬように
秘めたこの我に
気付かぬうちに

首を傾げた鳥が鳴く
煩わしさから
逃げれやしないと

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