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暖かな光の群れが
か細い声で呻いている

柱上の工作物が
便宜上の創作物を照らし出し
白面の現実は浮かび上がる

名状し難い凍えた芳香
手ぶらの訪問
そして回答

忘れてしまえよ
真っ白に

うらやましいね
真っ白で

甘くて美味しいソフトクリーム
落として崩れて
天を突き刺す

真っ白は真っ平だ

真っ青な夜に縋った
胸のカンテラ
心許ない春への灯火

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回遊する魚の鰓と共にあり
小川の袂を夢見し虫は
散乱する冬の胃液を掬っている

赤錆びた鉄の味に身篭った
俯いた侭の街路樹

搾取するジレンマに
握手するのは黄連雀
拍手する外連味少々携えて
白い季節を繰り越す意味を
集音マイクに問い掛ける

空いた靴底
濡れた靴下
ふやけたあした

水太りをした足取り重く
びちゃびちゃ路面で管を巻く
ああ、帰れない代えれない
翌の卵は孵れない

RETURN▲

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越えられない
壁の下
代えられない
糧の素へと帰属する

奪い取るのは床の間の
腰から上の配電網
畳の上のビー玉数え
爪の隙間で犇く怒号が
高架下の商業施設で跋扈する

殴る探る抉る年の瀬
手繰る潜るも梨の礫か

白雪滲んだ血の熱に
悴む視界も絆されて
縁側目指して駆け出した
猫の背骨に出でし月かも

点々と滴りながら
転々と移ろう
壁の穴へと渦巻きながら
言い訳聞き分け
水を注いで
田螺の殻よりもぎ取った
我が身を苛む虚しさ束ねて
船出の朝へと捧げよう

明日が正しく脈打つ様に
潰した瞳を壁へと塗り込む
もう誰も、壁の向こうを
知る事は無い

RETURN▲

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虫網を振り回し
嗜みに乗り回す
太陽高度に依存した
北緯43度の謀り

パン生地に練り込んで
焼いてしまえ

捏ね回す掌が
翅脈を撫でて窯へと焼べる
喇叭を吹いて高らかに
発破を掛けて朗らかに

地上部 枯らした宿根は
在りし日の望郷を
しっとりと広がる
口当たりへと重ねながら
越えて行く厳冬
肥えて行く幻想
無神経で身勝手な
明くる年への遁走

凍えているのは土の外
抱えているのは無知の帰途
優しさが蒸し返す
答の足りない虫の糸

編み込んで積み込んで
呑み込んで組み込んで
それでも足らない無我の意図

這い蹲って宥める
排水溝にて撓むる
固形物たる壊死の音

RETURN▲

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孤独に慣れ過ぎた
非貫通式の
敬愛出来ぬ葛藤

もう誰も信じぬ反面、
心を許す事に憧れを覚え
潰えてゆく日々の中に揺蕩う
蜃気楼へとその手を伸ばす

空を切る四肢
雲散する像の一片一片に
瞼を腫らすのは
君と僕の唯一の接点
触れる事の出来ぬ証明

填らないピース
枠線の内側に篭った哀愁
抜け落ちた愛情、やがて愛憎
容器の中は
思いやりで満たされている

察する事が肉付かぬ友よ
没する事で格付かぬ咎よ

ありふれ過ぎて
心に刺さらぬ言葉達

RETURN▲

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頭部と歩肢の並びに寄り添い
共有する笑顔と安息
隔たりさえも
何処吹く風の交わりに
変わらぬ愛を誓ってみては
朽木の根元に収まる薄情

想いは裏切りの連続で
繋ぎ止めれば繋ぐだけ
誰かの気持ちを切り付ける

流血の無い道は無く
終結の無い道も無い

一端の言葉で着飾って
華やかな言葉を散りばめながら
土壌に還るその日が来るまで
その肉を貫き通す覚悟を下さい

二人きりの土の部屋
吐き出す正常
後退しない我が儘が
生殖口へと取り込まれてゆく

RETURN▲

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乗り換え出来ない期間が一つ
振り替え出来ない史観が二つ
塗り替え出来ない置換が三つ
兵糧の有り余る時代を経て
漂浪の目に余る議題を捨て
朗らかな面持ちで
なだらかな趣きに興じる

束縛された手足に
血は巡る事なく
通い慣れた錯覚だけが
人の道を切り開いて行く

砂嵐の箱型受信機
ざざあざざあと寄せては反す

潤いの無い眼球は
失禁する形代を追って零れ落ち
肉薄する昭和と
平成の隙間へと滑り込む

ああ、
祭囃子が聴こえてくるよ
真っ赤な金魚が迎えに来たよ
ビニール袋の水の中
柔かな綿飴で窒息する
掌の中の情動が
再び彼の地に帰って来ました

RETURN▲

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ドブ水の中で生を受け
上澄みの下で育まれ
沈殿するヘドロを糧に築かれた
実に小規模な文化と価値観

側溝の内より汲み上げられ
陽の光に晒されようと
その性質上、
市民権を得られる事無く
主流の外へと追いやられるだけ

本流に交わり枷に躓き
傍流へと落ち着く理

享受する為 曖昧な
教養纏って何かを貶む
支配的な大衆心理

歴史も興りも意義さえも
平行して存在し得る不可思議
地下水脈としての嗜好
背中合わせの至高が
途切れる事無く思考する

施行から逃れなければ
志向も潰えて 骨さえ残らぬ
不平等で均等な
産業主義的ジェノサイド

公序良俗に反した正義
公序良俗に属する不義
利潤追求型の暴利と高尚
差異すらも不明瞭な比較優劣
揺らぐ水面、揺らぐ教養
文化と称した拠り所

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