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仮にもし、
私とそれ以外のものが
別の個体であると識別出来るのならば
それは正しい事なのでしょう。
だけれど彼は、
私とそれ以外のものが
プラスティック容器の中で凝固する
一塊のゼリーなのだと仰います。
仮にもし、
彼が仰る様に私がゼリーで
それ以外のものもゼリーだとすると
私とそれ以外のものは
動物性のゼリーでしょうか?
それとも植物性のゼリーなのでしょうか?
いや、それ以前に
私とそれ以外のものを押し込め
一つの固体にさせている
プラスティック容器とは何なのでしょう?
我々が見たもの聴いたものは
電気信号として脳内を駆け巡り
情報として処理されると言いますが
プラスティックは絶縁体なので
それらが外に漏れることはないでしょう。
また、プラスティックは
水分や薬品に強いという性質を持ち合わせているので
身体の60~70%が水分で構成される人間を
卒が無く閉じ込めておく事が出来ます。
しかしプラスティックは
石油を原料としている為
非常に燃え易く、
太陽光(要するに紫外線)に弱いという欠点を有して居ります。
仮にもし、
私とそれ以外のものが
同じ一つの塊であるならば、
私はその枠から脱した固体、
すなわち、
私という一つの個体になりたいのです。
そう、これまでの私は
密閉されたプラスティック容器の中で
私以外の存在と癒着しながら
それを私という一つの個体だと
思い込んでいたに過ぎなかったのです。
プラスティック容器とは即ち、
複数の要素で構成され、それにより目的の機能を持つ集合体であり
ゼリーとは即ち、
そのシステムを構成する歯車であり
水分であるが故にたゆとう我々一人一人が凝固した姿なのです。
…だけれど、
どんなものにも程度の差は有れ
"寿命"というものが存在します。
そう、哀しいかな
この容器は劣化しているのです。
太陽光に火照らされて種子が芽吹き
幾億もの向日葵へと昇華する刹那には、
私は肥料としてではなく
力強く太陽を睨む
立派な向日葵として咲いていたいものです。
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