2016年04月不完全きのこ

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胃は軋まない

2016年の詩

胃は軋まない

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去ね臆面も無く
糞を漏らして

ささくれ立った指の頭へ
溜まりに貯まった
血が行き渡る

当面の間
胃は軋まない
乳白色の雨を浴びても

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2016.04.18 ▲

犬小屋の君

犬小屋がお似合いさ
お前の住み家は

夕空が肌を焼き
空き地が
焦土になるまでは
君と仲良し

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2016.04.18 ▲

大義汚染

落丁本を積み上げた
向こうにあるのは
己が筆跡

立ち去る度に切り落とす
尾と音からの
恨み節

総じて空は行き渡る
見境も無く
大義に呑まれて

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2016.04.18 ▲

空洞の確証

白線の内側で
破れた皮膚へ記憶を綴る

詰め物は
足りていますか

空洞は目に見えて
その確証を刻み行く
時針を跨いで

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2016.04.13 ▲

結ばれた橋

晴れやかとは相容れぬ
石の裏の延命

繋いで行くのは
手ではなく
右往左往の針と糸

さあ結ばれた橋へ立て
異なる個と個が交わる場所に

嗚咽する朝もまた
安らかな
眠りの縁へと至る道

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2016.04.13 ▲

芯に寄り添う

積み重ねた歩みの上の
踏み固めた浅い意志
薄い硬さは
厚い脆さに勝り得る

そう言い聞かせ
己が末期を
看取るもいいさ

決着は常に
芯に寄り添う

座る立場を
見越したままで

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2016.04.12 ▲

百足擬き

虚しさだけが先に立ち
充たした身体は
遥か後ろに

遅れをとってなるものか

威勢の横へ
虚勢が張り付き
空回りする足の行方は
神のみぞ知る

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2016.04.11 ▲

拾う者無し

理不尽な夜の風に
当てられて
真っ当な権利さえも
捏ね繰り返す

ああ持つべき旗が
すげ替えられた
翌日の街

代えられない妬みを抱いた
水底の石を見据えて居ても
投げっ放しの現実が
拾い上げられる事は無い

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2016.04.11 ▲

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