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意味を成せ
笑みを失くしてしまわぬ様に
蝉が騒いで居られる内に

冷たくなった文字には
もう
脈打つ事すら
出来ぬのだから

瞳はこんなに開いているのに
誰も其処には留まれない
反射する空
転写する事も叶わずに

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諸手を挙げて受け入れよう
望みのままに差し出そう
愛がその手を繋いでくれるさ

炸裂する横暴に
視線の泳いだ理想を被せた
見当外れの悟りがのさばる

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消耗してゆく何もせずとも
出し惜しみなどする余地もなく
雑居ビルには虫が犇めく

吸い上げた先に渇きあり
齧られた後に痛みあり
奪い取ろうが差し出そうが
等しく音は此処を去る

笑い合えたら素敵だな
抉り合っても生きていられる
万雷の声 遠雷を憂う

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曝け出した心根も
往く充てなければ
萎れるばかり
夢中にさせたものたちも
弱みを貪るものたちも
倒れた視界が積み上がる
土台の上で時を重ねて

利害も喜怒も皮の下
肉を支えた顱骨の遺響

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中身を抜かれた箱だけが
今手の中にある希望
汚泥と夜明けを飲み干して
無くしたグラスの温もり憂えば
爪の轍が地平へ延びる
滲んだ朝焼け
軋んだ骨格
捲れ上がった路地裏の犬

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固まり切った関節に
油を刺して夜を行く
ささくれ立った指先で
なぞる目じりに隈取を
野辺の送りに彩を
目覚めが眩くありますように
傾く躰に慣れますように

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膨大な景色に溺れた
開放的な呼吸困難
伸ばした手足で雁字搦めさ
自由に浸かって居る筈なのに

こんなに青い空なんだ
今日はその目に焼き付けよう
泥に塗れた雲を尻目に
幌に紛れた蜘蛛の憂き目に

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