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聳える地層を見上げる頃には
膨張し切った轍の記憶へ
黄色く滾った異物が交わる
窪みのガスは澄んでいますか
空気のように
誰の目にも触れることなく

坑道が膿を吐き出して
爛れた地盤と共に諂う
掘り返したまま
繰り返すまま

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木々の隙間を縫うように
霞んだ息吹が行き過ぎる
重たくなった瞼を開けば
飛び込む山道
置換の産道
顕現してゆく呱々の声
権限なんて元から無いのさ
葉も散り果てて
枝分かれした数多の軌跡が
鬼籍と混じわり
ぼやけて浮かんだ

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膨れ上がった蕾が弾けて
豊かな薫りが闇を彩る
上下左右もあやふやなまま
腕を伸ばして掴みかかれど
その花びらが
千切れる事はないのだろう
鶏冠が熱を帯び
共鳴がまた
また一つと尾を翳す

私は一羽だ
殻と疎遠であったとしても

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未熟な素顔を埋め立てた
化粧の亀裂に刃を滑らせる
加害性など理解できまい
弱者を装う当たり屋共には

真っ白には程遠い
爛れた肖像晒され焦燥
醜く歪んだ正しき偶像

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繋がりは今も此処にある
圧迫された鼓膜と共に
灰色に沈むすがらに在れど

聞こえていますか
凍えた声が
映っていますか埋もれた意志が
届いているなら
融かして下さいこの季節ごと

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人知れず殻は破られる
誰に望まれた訳でなく
己が心の赴くままに

曲がって錆びて零れ果て
捨て置かれるまま
転がる日々だが
深く刻まれた罅の隙間で
金網を縫った
花弁に見惚れて
看取られるのも悪く無い

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納まる事で雨は遠退き
基軸に抱かれた夢を見る

解放された空間で
果て無き景色と戯れるのは
揺るがぬ事実と言えるだろう
胸を張る同調に
知覚の連鎖が傘を拡げた

そう私達は今両足で
新たな地平を踏み締めている

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腹違いの音色はいつも
心地良い角度よりずっと
胸に針を打ち付けていた
清純で在ればこそ
深く己を見失い
受け止められない
愛を呪って
引き鉄に全てを押し付ける

無邪気な瞳で覗いていますか
草葉の陰より今も変わらず
恨んでいますか
目を血走らせ

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