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四方も天地も塞がれて
孤独な時間に浸って微睡む
何の娯楽もありはしない
夢を見る他
思いつかない貧困が
飢えて渇いて張り付く喉に
刺さって痞えて
意識を繋いでゆく不毛

不確かなくらいで丁度いい
こんなに詰まらぬ
人生ならば
内なる亀裂の水を啜ろう
目が覚めてなお

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窓灯が漏れている
重ねた月日を見送るように

暖かにそっと
寄り添えたのかな
大きな口へと差し出した
思いが飲まれる事はない
もう二度ともう一度
ゼラチン状の夢に縋った
近くて遠い瞳に在れたら
どんなに素晴らしい事だろう
どんなに侘しい朝にあっても

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鳥である牛である
続いて来たのは
雲集霧散の追憶共から
取り上げろ
掘り下げろ
声も体も溶け合う前へ

蛙鳴蝉噪、私の鼓動は
蛇で在れ石で在れ
鬼の系譜に連なるように
土の底から顔を覗かす
蚯蚓であった頃の衝動
溺れるな陽を避けろ
其処に喜びは根付かない

手繰るついでに
誰に語っているのだろう
己の顔が
思い出せる訳でもないのに

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歩む気力も消え失せて
霞んだ景色に取り込まれてゆく
今この時を紡ぐのは
きっと私の意思ではないさと
口にしようとするものの
枯れた喉から生じたものは
小さく縮んだ
誰かの遺体だったのだ

弔われる事も無く
風に崩れて行くのだろう
誰も彼もが
俯瞰して腐敗して
途切れた像を描き足している
利害の外から帆を立てて
歯を立てて

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時が止まっているかの様な
歪んだ認知に翻弄されて
錆びた蛇口の水を飲み干す
繁茂する草と引き換えだ
賑やかな音は
もぬけの殻の家々が
膿を固めて蕾を拵える

開花する痛みを噛み締めろ
退化する園が
進化へ至る道を信じて

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石を持って道を行けども
容易く意志は揺らいでしまう
濁っていたのは何時からだろうか
左目の内で渦巻く愛は
哀に侵され
灯る事すら忘れていたんだ

枝のような右手から
電信柱のその先へ血を送れ
危害を加える事は無く
ただ満たされた時を願って

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凝縮された
空と大地に囚われて
逃げ出す事すら出来ない感覚
眩い日差しが何処までも
この身を捕らえて離さぬのなら
眠りに落ちたその先も
朗らかな昼が待っている
巡り合う訳がないのだ
そもそもここでは陽は沈まない
磔になって連なって
上がり続ける鼓動と気温に
ただ生きているのだと
打ち拉がれる
夜を迎える事も出来ずに

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幾度も幾重も潜り抜ければ
何時かは
花咲く事もあろうさ
結実するかの保証は無いが
虫の背中で夢を見られる
色付いたのは
投影された安寧が
五感を飲み干す時期を見据えた
自死に見惚れた花弁の連なり

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