READ MORE▼

切り分けた肉は均等に
来るべき
飢えに備えて配りましょう
胃袋が萎み横たわる
人の想いを鑑賞しながら
そう
感傷は腕を鈍らせるのだ
だから
干渉に堪えて滑って行こう
刃先を躍らせ
穂先の恵みに依存しながら

RETURN▲

READ MORE▼

記憶の底に今もある
根拠なんて
何処にもないけど
言い切る事に
意味があるんだ
根拠なんて
何処にもないけど
第六感がそう告げている
朽ち果てた生家が
呼んでいるよと
見覚えのない子供と一緒に

暗渠なんて
此処にはないはず
それなのに下は
水のささやきが蠢いている
これ以上膨らむことを
誰も望んではいないのに

RETURN▲

READ MORE▼

誰も覚えていなくとも
記した事実は消せやしまい
例え焼かれて煤と化しても
萎れた花は
花瓶に収まり爛漫と
馨しく肩を並べているんだ
通り過ぎても
後ろを静かに振り向けば

RETURN▲

READ MORE▼

開けた音に溺れてしまえ
触れられた胸が
爆散し皆に労れるまで
結びつき位置を統べる時まで

気高さに
涙が溢れてきました
出で立ちはまさに圧の解放
振る舞いの裏の隷属は
哀しき自由の成れの果て
隠し切れない黴臭さ
映し切れない傲慢さ
どれもこれもが
神輿に担がれ顕わにされる
鉄砲玉だよ女神を模した
痛々しいほど

RETURN▲

READ MORE▼

勇気をもって立ち上がれ
義の擁護には
足らない法を引き裂くために
抵抗を試みよ
抵抗を諦めよ
そんなに命が大切ならば
差し出せ投げ出せ
諸手を上げて

叫んでいるのは真っ赤な駒さ
受信するままただ連呼する
どこか遠くを見た腰巾着
彼らは今日も虎の威を借り
溢れんばかりの
愛と平和に酔い痴れていた

RETURN▲

READ MORE▼

爪を剥いだら手も出せまい
能あるものがいくら叫べど
群衆の中に紛れて行くんだ
垣根も区画もぼろぼろにして
針刺すことに迷いはないさ
吸い上げることで
喉の渇きは満たされる
異土の頚城が外される
子供たちよ今
風を切れ
胸を張り肩を張り
虐げられたものの怒りを
捏ね繰り回して炸裂させろ
燦然たる朝を迎えるため
同胞の園を打ち立てるのだ

RETURN▲

READ MORE▼

殴ってみたんだ気紛れに
庇護されるべき
血が湧き踊る流れに乗るまま
罪に問われることは無い
可哀相な旗に倣って
空腹なんて誰も知らない
抜き取った
紙幣と貨幣に心昂り
土下座する頭を踏み付ける
蹴り飛ばす
面と向かった末の開花は
収穫の時を想起させ
先人達の血と汗に
足りぬ足りぬと唾を吐く
徒党を組んで

RETURN▲

READ MORE▼

擦れていたのは喉ではない
確かなものが
確かに揺らいでゆく痛み
鮮明なはずの郷愁が
色を失い
濁って浮かんでいるのなら
この傷口もきっと嘘だ
偽りの赤に居た堪れなくなり
刺さった硝子を
指で穿るほかに何が出来よう

閃光に帰して
穿孔を記した曩祖の詩が
時を経ていま
雫となって景色を潤す
愛おしくて
疎ましくて

RETURN▲