循環
覆い被さる布の中
流れる灯りの嘶きは
開口反射の夢の跡
轍(わだち)と共に引き摺りながら、
此処に繋がる意味さえも
蝕の連鎖に組み込んでゆく。

見据えた景色は徐々に薄れ
仄暗い大気中の電子へと姿を変える。

この場所に残るのは
自家発電機能を失った
食糧難の子供たち。

小雨の中にうつ伏せて
体温と社会性を低下させながら
新たな秩序に組み込まれるのを
唯々、待ち望むのみ。

さぁさぁ、
布を剥しておくれよ。

傾れる紫金の雲の下、
鴉が"かぁー"と喇叭(らっぱ)を吹けば
旧い時代は終わりを告げる。

消化酵素の海の上
新たな世界に思いを馳せて…。
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2008.06.02