捲れた辛夷
傷を覗いた黄昏は
落ち着く先を決め兼ねる

此処に居ようか
いやいや無駄さ
末指に到らぬ血は腐るのみ

ああ 黒ずんだ夢だった

手放してなお
席は誰かの為にあり
駅は仄かに
辛夷の匂いを漂わす

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2017.04.09


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