非生体的欲求
全てのものから視線を逸らし
蟻はせっせと砂糖を運ぶ。

きしきしと痛めた胃腸に溜まる
夢心地の湖に臨みながら
釣り糸なんかを垂らしてみるが
痩せ細ったミミズなんかじゃ
舌の肥えた魚たちは
素通りしていくだけ。

手際好く竿を振れだなんて
一体、誰が吹き込んだんだ?

触れたのは
人の世の侘しさ、
触れたのは
ある一つの気心。

あてがわれた
修理とかいう名の服役は
怠惰な落ち葉の細胞に
新たな虫瘤をおがらせてゆく。

ふさふさの尻尾が
扇情的に誘う度に
しなやかな枝は膨張へと移行し
2次元と3次元の狭間に
叶う事の無い情熱を注ぎ込むのだ。
(巣穴は何処だ?)

何もかもが完全に想え
伸縮する彗星を
枝の根元へと押し込んでみても
ああ、情熱は果てる事無く
今日も温かな寝床を求めている。

鼠算的な欲求は
高度な思考の果てに潰え、
ここに、淘汰的アポトーシス(死滅細胞)が証明された。
(生の意味すら超える心よ!)
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2008.07.05