導に擦り寄る
指を折る
凍えた吐息が
膨らむ度に

荒天の街が啼いている
ただそれだけで
灯を懐かしむ夜もあるのさ

首元に巻いた革がほら
血の通う路地への
導に擦り寄って
調べと絡まる身を吊り上げた

電飾が減色を加速させ
ぼやけた視界に
豊かな記憶を投射する

囲む人など誰も無かった
今この場所に

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2020.01.20


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