捨て意思
使い古した気でいたら
芽生えたばかりの
声も擦れて
溶接された扉の奥で
調節された
骨組みを
ただ見送るだけだ

届けたかった言葉すら
取り返したい時間と共に
たった一つの出口へと
肉付けされて
排出される日の境

越えてゆくのは私であって
誰とも知れない人だった
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2020.02.11


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