名も無き池沼


誰に呼ばれる事もなく
水を湛えてただ其処にある

広げた口の行き先なんぞ
お前に知れたものではない
蒼く深く欠伸して
いつから
その目を喰らっていたのか

溺れる事すら忘れた様に
水面の空に雲が流れる

鳥は捕らえた
膨らむ幸に拐かされた
己の首を
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2021.05.13


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