水鏡の心


笑っていたのか
嘆いていたのか
対面をする僅かな距離に
ぼやかされては
また捏ねられる
風が水面を撫でる間に
人一人消え
人一人増え
バケツの中で季節が蠢く

収まる程度の心なら
入れ替わろうとも
波も立つまい

席が浮わつき
四季が移ろう
五感が錆びて
居ようが居まいが

関連記事

2021.05.21


Secret