微睡と絞首台


満ち足りる前に退いてゆく
彼がどんなに欲張りだろうと
溢れる事など決して起きぬし
私がどんなに空っぽだろうと
必ず何かを奪って立ち去る

名前諸共焼かれてしまえ
踏み込んだ跡も残らぬ様に
安眠に至らぬ不穏を背負って

惰眠と言うには明晰で
愚民と言うには思慮に富む
首締まる程に
吹き抜けの日差しを
肌に覚える

関連記事

2021.06.18


Secret