豊穣に消ゆ
The Devil in the Fields4
荒廃なんて何処にもなかった
生い茂る葉より芳香が
鼻腔を抜けて脳に染み入る
消失点に至るまで
そんな刺激が繰り返し
繰り返し
昨日までの渇いた記憶を
上書き
してゆくものだから
痩せこけた躰はとうに
膨張し切って
土に自重を囚われていた

足が全てと繋げてくれるさ
目口は張り付き
鼻は埋もれ
実りの季節を待ち望む
刈り取られるまで
どうか穏やかでありますように
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2022.09.11


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