縦列 ときどき 雨
立ち並ぶ
虚栄の隙間を掻い潜る
未熟な向上心と
一握りの淡い思い。

縦列
ときどき


雨粒が肩を叩き
アスファルトは悲鳴を上げる。

ビニールが咲き
慌しく行き交う影の中
誰かの靴跡を追い続けるのは
同調を続ける
不確かなこの鼓動を
認めたくないから。

夢のようではありますが
何故、此処に在るのかと
往来する靴達に問い掛ける度に
追い続けていた靴跡は霞んでゆく。

此処には何も無かったのだ。

虚栄の谷間から
鈍色の空を見上げ
僕という存在を定義してみても
時、既に遅く
何もかも不確かな思考が
土石流の如く雪崩れ込むのを
食い止める事は出来ない。

理解は夢
無知は現実。

僕達は
緊急避難場所すら
把握出来ていなかった。
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2008.10.10