呆けた谷間
Many eyes watching the dimly lit city1
解放された灯は何処に
その身を移して
呼吸を繋げて行くのだろう
窒息したての羽虫の群れに
食い込む指の一つ一つも
やがては
刃と刃の摩擦に途切れる

積み上げた
石の谷間が呆けているのは
酸素が巡らぬ言葉のせいだ
貴様の目線は幾つある
暮れているかのように振舞う
形成途中の空の深みを凝視する
首から下が
存在するかも怪しい瞳を
見開いて
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2023.07.07


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