無常マンション
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一つ一つが誰かの軌跡だ
意識が有ろうが無かろうが
それらの流れに抗えはしない
目玉の数に開きがあるのも
実に人間らしいと言えやしないか
隠れるつもりは微塵も無いのに
陽が昇る程
認識の外へ追いやられて行く
尾鰭は靡いていられるだろうか
再び溯上を成し遂げるまで

一棟は既に跡形もなく
生臭い風の流れを汲みながら
泳ぎ始めているのだよ
眠りについた人を後目に
窓を横切る
映る事のない不条理と
移り行く無常に身を寄せ合って

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2023.10.22


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