がら空きだ
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対峙するまでは無関心
どいつもこいつも
海月はずっと浮遊してたし
笠の下では
眼光が常に明滅していた
案山子だけ浮かせて
何処へ逃げるというのだろうか
そんな小舟じゃ
時間稼ぎにもなりゃしない
誰にも預けられない現実
そう私の背中は今
がら空きだ
蔦の様な舌が揺らめき
触手の様な星が煌めく夜ならば
納まり自体は悪くはあるまい
電球が一つまた一つ
天球の動きに呼応しながら
役目を終えて黒ずんで行く
輪郭でしか存在を示せぬ程に
遠隔でしか功罪を語れぬ程に
業を深めた
湿地は歴史に埋もれて行く

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2023.11.05


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