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うさぎときつね
あなたを失う悲しみ。
あなたを奪う歓び。
驚いた表情のまま、僕をただ見つめる。
瞳からは一筋の涙。
それは痛みからか、…それとも、僕への失望からか?
何かを伝えようと口を動かす。
その度に溢れ出る温かな血が僕の心を擽る。
怖い、…聞きたくない。
あなたの口から発せられる声が
例えば失望の声であろうと、そうでなかろうと。
今、あなたを苦しめ蝕むものは
僕の心の迷いに他ならない。
もう、あなたは助からない。
どうせ戻れないのだから、
せめて一秒でも早くこの苦しみから解放したい。
さようなら、
こんな僕に優しくしてくれたのはあなただけでした。
今までありがとう。
こんな結末になってしまって、…ごめんね。
力を込めた。
牙は深く喰い込み、
あなたの鼻と傷口から引き攣った音が漏れた。
絞り上げられた喉からは、まるで濡れ雑巾の様に
温かな液体が飛び散る。
それから間もなく、鈍い音が響いた。
終わった。
だらりと垂れ下がる腕。
唇を通して伝わる、あなたの鼓動は停止した。
あなたの首から口を離す。
崩れ落ちるあなただったもの。
返り血に塗れた僕を不自然な角度から見つめる。
涙が止まらなかった。
僕は、泣きながらあなたを食べた。
幼馴染のあなたの肉はとてもおいしかった。
成人式、
…苦い思い出。
あなたを奪う歓び。
驚いた表情のまま、僕をただ見つめる。
瞳からは一筋の涙。
それは痛みからか、…それとも、僕への失望からか?
何かを伝えようと口を動かす。
その度に溢れ出る温かな血が僕の心を擽る。
怖い、…聞きたくない。
あなたの口から発せられる声が
例えば失望の声であろうと、そうでなかろうと。
今、あなたを苦しめ蝕むものは
僕の心の迷いに他ならない。
もう、あなたは助からない。
どうせ戻れないのだから、
せめて一秒でも早くこの苦しみから解放したい。
さようなら、
こんな僕に優しくしてくれたのはあなただけでした。
今までありがとう。
こんな結末になってしまって、…ごめんね。
力を込めた。
牙は深く喰い込み、
あなたの鼻と傷口から引き攣った音が漏れた。
絞り上げられた喉からは、まるで濡れ雑巾の様に
温かな液体が飛び散る。
それから間もなく、鈍い音が響いた。
終わった。
だらりと垂れ下がる腕。
唇を通して伝わる、あなたの鼓動は停止した。
あなたの首から口を離す。
崩れ落ちるあなただったもの。
返り血に塗れた僕を不自然な角度から見つめる。
涙が止まらなかった。
僕は、泣きながらあなたを食べた。
幼馴染のあなたの肉はとてもおいしかった。
成人式、
…苦い思い出。
2006.06.06 ▲
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