菌による文化的考察
昨夜の街に撒き散らした棘を
直向に拾い集め
消失点の明滅に心奪われる

いつの頃からこの場所に居るのか
記憶すら遥か遠く
永遠に続くのかとさえ思える
繁栄と虚栄の隙間で
今日の糧を得て
大切な何かを費やし
屍の上を踏みしめてゆく

忙しなく行き交う人波と
容赦なく公転を続け
足元を掬ってゆく
この場所に置いては
逸脱こそが
悪と見做され負けと見做され
集団的な病理は日夜
常識という仮面を被り
頭骨にぽっかりと開いた穴から
脳味噌を犯し続ける

ゴミ箱と赤錆だらけの鉄柱の下には
幾千もの静観が
がびがびの反しを競り立てながら
びっしりとこびり付いている

ピストン運動が激しさを増す度
境界線は崩壊を続け
動物性蛋白質に走る電流と
生じるべき言の葉すらも
異常性プリオンに侵食され
陳腐な既製品と成り果ててゆく

種蒔き種蒔き
言の葉枯れて
やがて造花が顔を出す

柱は頭骨を絡めて抉り
引き抜く刹那に土を殺ぐ

規則的な収縮に促され
果てゆく感性の残像は
様式という無菌室で奏でられる
倒錯的美意識の成れの果て

θ波に満ちきった
知覚出来る限りの地平の許
ゴミもモラルも
心拍はどちらも等しく脈打っている
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2009.04.27