| ホーム |
交雑のすゝめ
扁平で楕円形の体が
暗がりの中で犇いている
蛍光灯の明かりが
締め切った部屋の中の
饐えた匂いを貫きながら
ざざざざ
ざざめく、君の艶やかな背中を潤す
黒褐色の君の
つぶらで柔らかなその瞳の奧には
果たしてどれだけの愁い、
劣情が刻まれているのだろう
僕は君の尾部に顔を埋め
湧き上がる情欲に身を預ける
微毛が頬をなぞり
理は艶かしい膜の影へと忍ぶ
苦しみを帯び
自己矛盾に満ちた
曖昧な言い訳が育んできた
模範的な回答と超えられぬ現実
愛想笑いも作り話も
君と混ざり合う歓びに潰され、
もう2度と僕の眼の前に
姿を現さない様に
永久に消え失せてくれたらいいのに
それでもまだ
否定を続ける曖昧な言い草に
心のどこかでしがみ付いているのは
悩み続けてきた日々が
無意味であったとは
言い切れないからだろう
迫り上がり、引き締まり
興奮が高まるにつれ
蓄えられていた情報が
末端部、袋状の間へと移動を始める
待機
増幅して行く本能
崩落して行く理性、…と呼ばれる
刷り込まれ、
無意識下に根を張る知覚
感情が衝動が…種を超えた愛欲が
脳が支配できぬ反射と共に
収縮、排出される
達成感、
一抹どころではない不安
君を愛する事への確証、
そして自信
卵鞘が僕の情報で満たされ
君の情報と雑ざり合う時、
根底にある概念は覆され
新たな理念と可能性が示されるだろう
やがて卵鞘より這い出る
不完全変態の子供たち(僕と彼女の愛の結晶である)が
幾度かの脱皮を経て
小さなキチン質の背に翅を得る時まで、
僕たちはちっぽけで頼りない可能性すら
蔑ろにしてはならないのだ
暗がりの中で犇いている
蛍光灯の明かりが
締め切った部屋の中の
饐えた匂いを貫きながら
ざざざざ
ざざめく、君の艶やかな背中を潤す
黒褐色の君の
つぶらで柔らかなその瞳の奧には
果たしてどれだけの愁い、
劣情が刻まれているのだろう
僕は君の尾部に顔を埋め
湧き上がる情欲に身を預ける
微毛が頬をなぞり
理は艶かしい膜の影へと忍ぶ
苦しみを帯び
自己矛盾に満ちた
曖昧な言い訳が育んできた
模範的な回答と超えられぬ現実
愛想笑いも作り話も
君と混ざり合う歓びに潰され、
もう2度と僕の眼の前に
姿を現さない様に
永久に消え失せてくれたらいいのに
それでもまだ
否定を続ける曖昧な言い草に
心のどこかでしがみ付いているのは
悩み続けてきた日々が
無意味であったとは
言い切れないからだろう
迫り上がり、引き締まり
興奮が高まるにつれ
蓄えられていた情報が
末端部、袋状の間へと移動を始める
待機
増幅して行く本能
崩落して行く理性、…と呼ばれる
刷り込まれ、
無意識下に根を張る知覚
感情が衝動が…種を超えた愛欲が
脳が支配できぬ反射と共に
収縮、排出される
達成感、
一抹どころではない不安
君を愛する事への確証、
そして自信
卵鞘が僕の情報で満たされ
君の情報と雑ざり合う時、
根底にある概念は覆され
新たな理念と可能性が示されるだろう
やがて卵鞘より這い出る
不完全変態の子供たち(僕と彼女の愛の結晶である)が
幾度かの脱皮を経て
小さなキチン質の背に翅を得る時まで、
僕たちはちっぽけで頼りない可能性すら
蔑ろにしてはならないのだ
- 関連記事
-
- ポリ袋はラジカル重合の夢を見るか? (2009/09/19)
- 菌による文化的考察 (2009/04/27)
- 唯一者とその所有 (2009/02/20)
- 顔無し (2009/10/15)
- 防腐罪 (2009/07/12)
- なすがまま (2009/04/09)
- 演繹×帰納≒∞ (2009/07/07)
- 薇都市 (2009/06/08)
- 境界の是否 (2009/07/13)
- 春の山道 (2009/03/08)
- 誘引説 (2009/01/13)
- 哺乳綱ネコ目イヌ科キツネ族 (2009/09/09)
- 異物は温もりを帯びて (2009/10/12)
- 45度の信号 (2009/11/06)
- 来訪者 (2009/01/06)
2009.06.21 ▲
| ホーム |