霧犬


迷子の仔犬は霧の中

微睡む虹と噴煙を貪る。



暁色の逢魔が時、可愛い君を抱き上げる。

「嘲い声なんて聞こえないさ…」

呟く言葉は霧に呑まれた。



古くなった君の背中を開け放ち

僕は塗り固められた地面に頬を摺り寄せる。
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2007.02.15