全てを掴めぬ無力
ガラクタになった車が
恣意的な新種世代に
含みを帯びた笑みを投げ掛け
層序学的な考察は
堆積学的手法と結合し
現在に至るまでの
嘘と欺瞞に満ちた細胞の隅々に
呼吸を続ける是非を問うのは
幼い頃に感じた
底の知れぬ程の好奇心に
足が付いてしまった事への恐れでも在る

そう、僕達は
もう一度溺れたいのだ
深みに嵌り
息も出来ぬ程に

窒息する事に
恐怖すら抱かない
あの景色を視た瞳は
生きる為の所為に色褪せ
記憶という名の
朧気な残像に頼る事でしか
垣間見る事が出来なくなってしまった

生きることは枯れること
枯れるほどに愛しさを知る

縋ることで足を踏みしめ
留まることで無力さを知る

こんな頼りない状況に
依存してしまっている現実に
眼を背ける事で
自我の所存を知覚するという
何とも無責任な
際限無い悪循環の中に在りながらも
何処かでこの想いが
悪循環さえも侵食しながら
在りの侭に組み替える事が出来るのではないかと
種火を小さくしながら
寝首を掻く日を夢見ているのも
また、事実なのであります

諦めの悪い
無力な自我が聳える為に
廃棄物の成分を解析し
物質間を越えた情報すら
受諾してみせよう

消えぬなら
人として在らぬ事も厭わず

何もかもが欲しい
何度目かも解らぬ硬直の刻に
愛しくて愛しくて

全てが
君の全てが

分解出来ぬ
君との思い出

愛しさだけが
真っ黒な影となって
床の上に焼き付いてしまった

またひとつ愛を零し
無力さに苛まれる
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2009.08.17