| ホーム |
異物は温もりを帯びて
-10℃の室内に
温かな風が染入る
真っ暗な空間に
プラケースが犇き合う
閉鎖的で少しばかり窮屈な
絶縁性と微睡む
荒唐無稽なその有様は
後方から照り付ける
強烈なヘッドライトの光に晒され
淫らに折り重なる
皮膚と肉の隙間から
滑る様な光沢を放つ金属に
血を通わせる
肉壁と肉壁の収縮に
温かな脈拍と愛しさとを覚えた
バナジウム製の未熟な心は
差し込む度に
剥ぎ取る度に
快楽と後悔の狭間へと沈んでゆく
仮死状態の倒錯
コルクボードの上の愛情
冷え切った身体は何処へやら
燃える様な熱を帯び
言論すら捻じ伏せんばかりに怒張した
空白の時の中を切開する
極めて鋭利な欲望
換気ファンから漏れ出す
血と鉄とで練った
BL(バイオセーフティレベル)4相当の
唯一の安らぎ、君との想い出
生きたいと願うものと
逝きたいと願うもの
相反する願いが交錯する
サーモスタット越しの巣箱の中で
僕はまた
君の柔らかな肌へと
歯を立てる
溢れ出る血液が
冷え切ったこのカラダに
温もりを与えてくれた様に
僕は君に対して
苦しみ以外の何かを
与えてあげる事が出来たのだろうか?
幾度目かの抱擁の後、
君はダストボックスへと投げ込まれた
まるで、
僕のカラダみたいだ
冷たくなった君は
もう動かない
もう笑わない
此処に在る意味すら
拉げた紙切れの様に乱雑に
僕という存在を
僕自身に痛いほど知らしめてくれた
腐食性に苛まれる愛しさ
いっそ、この心の様に
このカラダも救い様が無い程に
錆び付いてくれたら
どんなにか素晴らしい事だろう
廃棄される事で
果たして
君の様になる事が出来るのか
それすらも確証の無い
衝動的な願望
焼き付いて剥がれない
永続的な願望
置かれた立場も
存在を知らしめる意味も
物質的な隔たりによって反発しあう
従属的な宿命
従属から解放される事を
死と定義するなら
死は新たな従属に備えた
最も根源的で滞留的な
集合的従属とでも位置づけるべきなのか
分解される過程や
朽ちてゆく時間は違えども
従属だけは存在に付き纏う
拭いようの無い現実
どれ程深く君を思えど
その感情すらも結局は
相反する従属が反発しあう過程で生じた
調和の中での変異に過ぎないのかも知れない
現に、
緩やかなカーブを持った
この僕の鋭利なカラダでは
君を抱きしめる事すら叶わなかった
意志在る限り従属する事から
逃れる事が出来ないというのなら
それは個としての意志では
覆し様の無い法則
腑に落ちなくとも
認める以外あるまい
ただ、もしもまた
僕に新たな肩書きを名乗る機会があるのなら
今度は君と同じ肩書きで
君を傷付ける事無く
君の温もりを
君の心音を
感じる事が出来たなら
これ程に
素晴らしい事はあるまい
温かな風が染入る
真っ暗な空間に
プラケースが犇き合う
閉鎖的で少しばかり窮屈な
絶縁性と微睡む
荒唐無稽なその有様は
後方から照り付ける
強烈なヘッドライトの光に晒され
淫らに折り重なる
皮膚と肉の隙間から
滑る様な光沢を放つ金属に
血を通わせる
肉壁と肉壁の収縮に
温かな脈拍と愛しさとを覚えた
バナジウム製の未熟な心は
差し込む度に
剥ぎ取る度に
快楽と後悔の狭間へと沈んでゆく
仮死状態の倒錯
コルクボードの上の愛情
冷え切った身体は何処へやら
燃える様な熱を帯び
言論すら捻じ伏せんばかりに怒張した
空白の時の中を切開する
極めて鋭利な欲望
換気ファンから漏れ出す
血と鉄とで練った
BL(バイオセーフティレベル)4相当の
唯一の安らぎ、君との想い出
生きたいと願うものと
逝きたいと願うもの
相反する願いが交錯する
サーモスタット越しの巣箱の中で
僕はまた
君の柔らかな肌へと
歯を立てる
溢れ出る血液が
冷え切ったこのカラダに
温もりを与えてくれた様に
僕は君に対して
苦しみ以外の何かを
与えてあげる事が出来たのだろうか?
幾度目かの抱擁の後、
君はダストボックスへと投げ込まれた
まるで、
僕のカラダみたいだ
冷たくなった君は
もう動かない
もう笑わない
此処に在る意味すら
拉げた紙切れの様に乱雑に
僕という存在を
僕自身に痛いほど知らしめてくれた
腐食性に苛まれる愛しさ
いっそ、この心の様に
このカラダも救い様が無い程に
錆び付いてくれたら
どんなにか素晴らしい事だろう
廃棄される事で
果たして
君の様になる事が出来るのか
それすらも確証の無い
衝動的な願望
焼き付いて剥がれない
永続的な願望
置かれた立場も
存在を知らしめる意味も
物質的な隔たりによって反発しあう
従属的な宿命
従属から解放される事を
死と定義するなら
死は新たな従属に備えた
最も根源的で滞留的な
集合的従属とでも位置づけるべきなのか
分解される過程や
朽ちてゆく時間は違えども
従属だけは存在に付き纏う
拭いようの無い現実
どれ程深く君を思えど
その感情すらも結局は
相反する従属が反発しあう過程で生じた
調和の中での変異に過ぎないのかも知れない
現に、
緩やかなカーブを持った
この僕の鋭利なカラダでは
君を抱きしめる事すら叶わなかった
意志在る限り従属する事から
逃れる事が出来ないというのなら
それは個としての意志では
覆し様の無い法則
腑に落ちなくとも
認める以外あるまい
ただ、もしもまた
僕に新たな肩書きを名乗る機会があるのなら
今度は君と同じ肩書きで
君を傷付ける事無く
君の温もりを
君の心音を
感じる事が出来たなら
これ程に
素晴らしい事はあるまい
- 関連記事
-
- 毬藻 (2009/05/28)
- 並行する蓋の上から (2009/03/30)
- 啓蟄 (2009/03/14)
- 春の山道 (2009/03/08)
- 異物は温もりを帯びて (2009/10/12)
- 背上より、歓びを求めて (2009/08/02)
- 唯一者とその所有 (2009/02/20)
- 純正である事を疑わぬ不純 (2009/04/25)
- 来訪者 (2009/01/06)
- 白樺の記憶 (2009/04/13)
- Scum & Sludge (2009/04/04)
- 畜産ホロコースト (2009/02/02)
- 顔無し (2009/10/15)
- 乙種≒乙類 (2009/04/06)
- 固着性の有無 (2009/02/24)
2009.10.12 ▲
| ホーム |