白い季節は深々と
剥ぎ取られた
妬みと僻みの足音に
青空ひとつ
人ひとり

かつかつかつ…

かつて響いた靴底の
嘆きと挫折と妥協少々

見上げる昨日に
黴臭い顛末
視線の先の地面

耳を塞げど
塞き止められぬ自責
この身を染めて

囚われ放たれ
纏まり砕けるこの焦燥に
君想う歓び

全てが愛しく
全てが虚しく
隙間だらけの螺子時計
振り子と秒針の鬩ぎ合い
共に過ごした幸せ
ひとり過ぎ行く苦しみ

記憶の中のあなたが
あの頃の様に微笑んでいる

振り返れど
もう届く事のない温もり
木漏れ日に戯れ

私はかつて
幸せだったのかも知れない

時は流れ
時に晒され
錆び付いた愛に寄り添う
不毛で居心地の良い日々に飲まれ
歩む速度を緩める

不甲斐無い私めをお許し下さい
生き甲斐すら曖昧な
曇天模様の傘の下
真っ白な雪が
春夢む背中
蔽ってく
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2010.01.05