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地虫の軌跡
目の前から飛び立つ
風に揺られた気心を眺めながら
私に絡み始めた
漠然とした自信に身を委ね
澄み切った蒼を
胸いっぱいに吸い込む

あんなに高く舞っている

背中に受け切れんばかりの
暖かな日差しが
きめ細やかな粒子となり
逆光の中で見上げる私へと降り注ぐ

幸せに満ちた笑顔
楽しそうに笑う声
温かな
優しい時間

あの人の軌跡は
色とりどりの眼差しに彩られ
退屈だった蒼と白の日常に
大きな虹を架けていった

羽の無い大多数
羽の有る少数

憧れ、妬み、
様々な想いが
42度の屈折を介し
等しく彼を見上げている

この世に生を受け
この命を終えるまで
一体、どれだけの人が
自らの軌跡を刻む事が出来るのだろう

模範的な生活は
時間と貧困に後押しされ
私たちを束縛する

費やすものは時だけか?
薄れてゆくのは夢だけか?

漠然とした焦燥に
私の憧れが駆り立てられた

軌跡を残そう
誰のものでもない
私自身が描く軌跡を

今の私には羽がある

この翼で
あの人の様に空を飛べたら
夢を蒔けたら
どんなに素晴らしい事だろう

眼前に迫る
余りに大きなキャンバス
あなたへの憧れ

凄まじいまでの風圧が
小さな身体を瞬く間に飲み込む

大きな蒼の中で踊る
一点の影は
静かに、ただ静かに
消えていった

羽が軋み身が捩れ
呼吸すら侭ならぬ時の中
私の遥か頭上では
憧れのあなたが
あの日と変わらぬ軌跡を描き
人々に夢を投げ掛けていた

轟音が大地を貫き
この日、
私の夢は砕け散った

背中の羽が贋物だったのか
私の覚悟が
独り善がりであったのか

大衆にとって
無様に地に伏す私なぞ、
憧れや妬みを
抱かせる対象にはないらしい

延々と降り注ぐ
嘲笑、憐みといった上から目線の感情が
冷たい雨の様に
私の体温を奪ってゆく

全く、見下げられたものだ

下品な笑顔
卑屈な哂い声が響き渡るこの場所で
かつての様な
温かな気持ちを求める事など
出来る筈も無く
卑しい時間に晒された傷口は
ぶくぶくと泡を吹き
腐ってゆく

捻じ曲がったこの足では
以前の場所に帰る事も適わず

無様に千切れたこの羽では
もう、あなたの様にはなれない

それでも
私は生きている

もう2度と
広がる様な大空に
軌跡を描く事が出来ないならば、
地面の上を這い蹲って
この場所に
私だけの軌跡を刻んで見せよう

あなたの軌跡が
白黒だった私の心を
極彩色へと染めてくれた様に

大地を削り谷を割き
いつの日か私の軌跡も
大きな流れとなって誰かの心へ届いてくれたら
これほど幸せな事は無いでしょう
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2010.01.08

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