球体に紡ぐ
啄まれる種と油分に踊る
ぼやけた土の混迷

殻を破り(破られ)
今は見ぬ深き月夜の幻灯
共に歩む
節の織り成す行進は
肌寒い僕の家に
ほんの少しだけ
賑やかな音と
きゅうりの苗を植えるんだ

未だ得ぬ深き浮世の厳冬
共に夢む
虫のひり出す亢進は
羊歯とコンビ二の隙間を跨ぎ
柔かな口付けで心を紡ぐ

糸だけだよ、お嬢さん
此処に居る理由も
底に居る自由も

繋ぎ止めて絡まって
見窄らしい形に丸まるだけさ

解(ほつ)れても
解れさせても
縫付けて
縫い付けられて

何処までも
何時までも
遠くへ行った気になったまま
忘却と再利用の坩堝から
抜け出す事が出来ないんだ
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2010.02.21