寄り道草
物足りない日々を
掻い摘む 惰性の中で

睡魔と焦燥 風に揺らぎ
花弁と共に色付いて
誠実示す ポケットの
補う努力 流れ去る

柱に巻き付く 蔓たちの
緑も疎らに 気も漫ろ
シルクハットと葡萄の隙間
ダージリンで着飾って

熟さぬ果実の情景は
熟せぬ過日の造形に
見惚れて萎れて
春を待てずに腐ってく

幸い気候に備える種は
寄り道草より吹き零れ
新たな土地に根を降ろす

角度を変えて
陽を受けて
豊かな香りに綻んで
新たな季節に立っている
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2010.03.10