後援畜産
然るべき時に
図るべき鬨の声に連なり
現状一切を打破せんとする
無秩序な規制へと寄生する
無様な利権と
建前の美徳を軸とする
乱れ桜を愛で
誇らしげな面持ちで手と手を繋ぎ
牧場の中を駆け回る
善良無思慮の家畜の群れに
屠殺された
親の肉を!子の肉を!友の肉を!
恋人の肉を配合した
非加熱加工肉が与えられる

蓄えられる資質と脂質
私室には録音された
親の声!子の声!友の声!
恋人の声!

アルコール漬けの脳からは既に
柵の外の声を知ろうとする
許容力は失われつつあり
酩酊する粒子の渦へと溶け込んでゆく

心地よい春の日差し
善良無垢な家畜たちは
後援された主張の旗本
同士同族の遺体の山を駆け巡り
新たに芽吹いた新芽を
満面の笑みを浮かべながら
自らの手で摘み取るのである
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2011.04.16