渇望は陽光に透けて
野を這う蛇と不束な意志の影
纏ったガウンは夢心地
握った手と手は陽射しに消える

揺られた日々は
ひとつふたつ
石ころのように転がりながら
詭弁の帽子で目を伏せる

暗がりの下で見上げる子犬
虫の集った腕を咥えて
深く緩んだ明日へ逃げる

もう追い駆ける事も無い
嘘偽りで固めた自意識
重ねて透かして
窓 曇りゆく

散り行く桜の花弁を
鱗に纏って夢から覚めて
腐敗臭と翅の音
無邪気な子犬の心も拗ねる
奥ゆかしき草場の渇望
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2011.05.25