生月の船団
雪が舞い月が濁る
澱んだ夜の水兵さん
波間に揺らめく慕情に呑まれ
凍える谷間へ消えてゆく

真ん円な
お月様と眼光が
卑しい心を愛撫して
生月の空へと還元される
たった一つの決断は
発った一人の密談に収束される

経った一房の寒暖
散った人知れぬ船団

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2012.01.05