春の宵、猿の酔い
項垂れた電柱に
草陰の
甲虫達が群がって
引き摺られたまま昇ってく
腸と粗目の水風船

閑静な歓声が
他種細胞間に満たされる
清浄明潔な春の宵
接合部位とその構造
ぼやけた理想と
絡まぬ歯車

手に余る
夢見がちな猿の酔い
想像未満の柳の芽吹き

二節気届かぬ
空の抜け殻
陽気地中にて変態す
欲の翌週、
己が認証、
血漿塗した生の結晶
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2012.03.13


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