検体期
臆面も無く 曝け出された実像に
白面は泣く はだけ重ねた虚像から
側面を裂く 呆けくすねた偶像

抱き続けた反作用が
被覆シートに付着して
雑踏に溺れ膨らんだ
ひつじの腹へとメスを入れる

執刀するのは 「いつも自分」
葛藤するのは 「いつも気分」
ムッとするのは 「いつか多分」
きっと来るのは 「五日の差分」
そっと撮るのは 「いつもの過分」

二日ばかりの臨床検体
痛まぬうちに焼き付けておこう
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2012.05.28


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