薄皮一枚、
薄暗いゴミ集積場に咲く
萎れたアネモネ

さんざめく郷愁だけが残留する
誰も居ないこの場所に在り
それでも花を咲かすのは
輝かしい未来への希望からではなく
非生産的な憎しみが齎す
浸食による作用にかどわかされた
幼き日の約束が
未だに心の中で燻っているからだろう

左から右に
横一文字のけじめと覚悟
項垂れたアネモネ

「介錯を頼む」

上から下へ
振り下ろすけじめと覚悟
薄皮一枚、生き急いだ
君と僕とを繋ぐもの
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2012.06.07


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