石と唾

桜舞う季節の夕暮れ
魚になったあなたは 赤い鳥と共に空に昇る。

僕は晴天を仰ぎ 石を投げる。
あの鳥を撃ち落とす為に。

曇りガラス越しの人々は
僕を指差し罵り笑う。

鳥は下界を見下ろし 唾を吐く。
孤独な僕を嘲りながら。


やがて降り注ぐ 石と唾の雨。


地に伏した僕は 無力感を抱きながら
ただ力無く 天を仰ぐ。
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2007.04.09