Ego Brain

僕は 幾千もの羽虫となって大空を舞う。

瞳に映る黄金色の情景
木魂すは大気震わす雄雄しき猛り。

さざめく者も囁く者も皆等しく頭を垂れ
その七色の翼に願いを掛ける。

電極の猫は明滅し 鏡の中の蜥蜴は瞬く。
降り注ぐ雪は熱を帯び 蛹たちは水の上で跳ね回る。

溶鉱炉で眠る蛙は 釈然としない面持ちで
寒天質の夢を吐き出す。

鳴り響く時報に耳を澄ませば オレンジ色の母の声。
忘れていた 母の声。
焼き殺された 母の声。

溢れる涙。


押し寄せる倦怠感 鈍り始める意識。


するする するすると 引き戻される。



気付けば僕は
悪臭漂う汚い路地裏。

夢や希望はとうに潰えた 現実という名の吹き溜まり。


現実(リアル)とは 脳が認知する映像(ビジョン)

ならば先程の感覚は 紛れもない現実(リアル)

1枚の葉が魅せた

自我(エゴ)という名の現実(リアル)。
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2007.04.10