足元の青空
濁雲の空の下 直向きながら歩く日々
その身を包むは 冷たく凍える吐息。

光を求め 空を仰げば 鉛色の雨。
薄汚れた獣毛 染入りながら体温を奪う。

雨は止まない…

いつしか彼は 空を見上げることを やめた。


濁雲の空の下 俯きながら歩く日々
その実を銜むは 冷たく驕れる屠遺棄。

光を諦め 眼を伏せれば 鈍色の吹き溜まり。
薄汚れた願望 染入りながら体内に巣食う。

雨は止まない…

いつしか彼は 空を見上げることを 忘れた。


濁雲の空は裂け 瞬きながら差す日和
その魅を臨むは 冷たく溺れる瞳。

光を忘れ 地を統べれば 青空広がる吹き溜まり。
薄汚れた眼光 染入りながら潤し溢れる。

雨は上がった…

吹き溜まりから見下ろす空も悪くない。
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2007.04.29