芳香なる奉公
冴え渡るのは虫の声
薄れる視界の染色体
響いて波打つ 焦がれた頚木
此処は肉声の終点地

扉を開ければ肢体は踊る
枝の付け根の酪酸ベンジル
ほのかに薫り 頭は火照る

掻い摘んで申し上げますと
潜り込んだ肉の先に
我らが理想郷を
見出した次第で御座います

芳香なる味わい
奉公する生業
浸りながら従事する事に
崇高なる目的を見出し
営みは今日も継続されます
そう、
明日も!
明後日も!
暦の果てまで!

食指を伸ばす虫の史記
腐食を下す無垢の死期
犇めき合って 時は連なる
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2012.08.31


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