愚者の金
黄金色したその身から
染み出たものは欲と嘘
よく似た色の服を纏って
迷い込むのは誰が道か

好意も期待も羨望も
何処か空虚で潤う事無く
渇いて渇いて干乾びて
張り付く様な声 罅割れる

瑞々しいのは君の顔
たどたどしいのは
肉面の下で怯えてる
異なる元素の僕の顔

その輝きすら偽る事に
疑問が芽生えて意思は咲く
紛い物で結構だ
自問を踏まえた石は行く

僕の名前は黄鉄鉱
金の代わりにゃ成れないけれど
我が身を削り 火を灯し、
夜道の果てへも歩いて往ける
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2012.10.09


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