迎えに来たよ
乗り換え出来ない期間が一つ
振り替え出来ない史観が二つ
塗り替え出来ない置換が三つ
兵糧の有り余る時代を経て
漂浪の目に余る議題を捨て
朗らかな面持ちで
なだらかな趣きに興じる

束縛された手足に
血は巡る事なく
通い慣れた錯覚だけが
人の道を切り開いて行く

砂嵐の箱型受信機
ざざあざざあと寄せては反す

潤いの無い眼球は
失禁する形代を追って零れ落ち
肉薄する昭和と
平成の隙間へと滑り込む

ああ、
祭囃子が聴こえてくるよ
真っ赤な金魚が迎えに来たよ
ビニール袋の水の中
柔かな綿飴で窒息する
掌の中の情動が
再び彼の地に帰って来ました
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2012.11.12


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