雨、ときどき霙
回遊する魚の鰓と共にあり
小川の袂を夢見し虫は
散乱する冬の胃液を掬っている

赤錆びた鉄の味に身篭った
俯いた侭の街路樹

搾取するジレンマに
握手するのは黄連雀
拍手する外連味少々携えて
白い季節を繰り越す意味を
集音マイクに問い掛ける

空いた靴底
濡れた靴下
ふやけたあした

水太りをした足取り重く
びちゃびちゃ路面で管を巻く
ああ、帰れない代えれない
翌の卵は孵れない
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2012.12.12


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