ぬくもりの痕跡
傾いた天窓から降り注ぐ
白く冷たい視線に怯え
賑やかだった
あの日を拾って襖を閉める

詰め込んだ刹那
ガラス戸へと映りこむ
さようならと
ようこその微笑み

今日という日付を
仰向けの人形に突き立てよう
いつまでも帰って来ない
優しいものたち

軒下から石段へ
蛇口が茂った枯野原
寄り掛かる
掴み損ねた竹箒
縁の下で擦れた愛しさ
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2012.12.20


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