軸は等しく
後ろ手に縛られた現在
食いしばる奧歯を軋ませながら
再び刃を押し付ける

喋り終えた晴天
ポケットの中の携帯が
鳴り響き泣き叫ぶ

年明けの街並みは
逆さまに転がり振動する
仰向けの隣人を窺いながら

死に向かう損壊
生に向かう切開
行き先違えど軸は等しく
白衣を纏ったビルの壁には
血とドラッグの匂いが
染み付いていた
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2013.01.04


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