プランター
目を開けた先が
望んできた景色でありますように

物欲の中で微睡む羊は
瓶の底で滞留する吐露に脚を絡ませ
ゆらゆらと差し込む西日を
ゆらゆらゆらゆらその身に受ける

暮れてゆく
枯れてゆく
晴れはいつまで続くのだろう

プランターの花が散っていた
水浸しの部屋の中

湿気っているのか
乾燥(かわ)いているのか
残されるものは結末だけ

脂ぎった空の下で
つまらないものたちに会釈をし
たいせつなものたちの手を振りほどく

さようならの有効期限を
あと少しだけ延ばして下さい

プランターの花が咲いていた
日の入り前の部屋の中

湿気っているのか
乾燥(かわ)いているのか
残すべきものは結末だけ

寝ぼけ眼の瓶の底
抜けない脚の付け根に張った
新たな蕾に想いを重ねる
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2013.01.16


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