青白い夜更けに
青白いベールが風に揺れる
時間の所在を放棄した
薄暗い公園の中で

乾いた靴音が闊歩する
アスファルトと土の境界に
俯瞰する己が背中を垣間見る

自我は空間と雑ざり合う
飢餓の壮観にさざめく
飢えているのも
植えているのも
暗がりの中に点在する
理由付けに過ぎぬ

絡め取った音も
網の隙間から枝の節目から
するりと抜けて漂っている
逃げる必要も無く
此処に

終始穏やかな天候の中
終始薄暗い潜行
にこやかにぎこちなく
街路樹脇のベンチに座る

雨にも濡れず
汗も掻かず
乾燥した青白い光を
その背に積もらせ
穏やかな心持ちのまま
やわらかな土の上へと頽れてゆく

また此処に
来てもいいですか

足首のタグに記された
無言のままの返答が
大きく会釈し、また俯いた

晴れない空は雨に非ず
湿気った頃に夜目を細める
厳かに、艶やかに
この身を融かし此処に在りたい
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2013.01.18


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